「どうぞのいす」を読んで

 今日は「どうぞのいす」を紹介します。
作者は香山美子氏、絵は柿本幸造氏、出版社はひさかたチャイルドです。

 この絵本はうさぎさんが椅子を作って「どうぞのいす」という立て札を一緒に立てたことから始まる、やさしい動物の思いやりが描かれた絵本です。
 かわいいうさぎさんから、ロバ、くまなどなど、いろんな動物が「どうぞのいす」という立て札をみて、椅子においてあるものを頂き、空になったところに「空にしてはお気の毒」と自分の物を置いていくという思いやりのリレーみたいな感じです。

 そもそもロバが昼寝に来て、椅子の上に物を置いてしまったのが始まりですが、ろばが起きるまでの間、なんとも動物たちのやりとりが和みます。
 
 大人も読んでいてほっこりできる絵本となっています。
子供に読み聞かせていると、「うさぎさん」「くまさん」など、やはり動物には反応が良いです。
話の意味は理解していないようですが、絵がとてもかわいくてなじみやすいと思います。

 椅子をみると「どうぞのいす」と言ったりもするので、記憶に残る絵だと思います。
「どうぞ」という言葉をよく耳にしますが、子供も「どうぞ」という言葉を覚えてよく使うようになりました。
 どうぞのいすから覚えたというより、自然に覚えていたみたいですが、どうぞのいすを読んでから、頻繁にこの言葉を耳にするようになりました。
 誰かに物を渡すときやお友達に物をあげるときなんかは「どうぞ」とわかって言っています。
親切な気持ちと「どうぞ」という温かい言葉が子供からでると大人も和みます。

 そして、「どうぞ」の後には、「おきのどく」と空にしてしまったことへの、罪悪感というか、申し訳ないという感じ、後の人への配慮が描かれてるところがすばらしいです。
 どうぞに対するお返しというこれもまた心温まる言葉です。
「おきのどく」はあまり子供にはなじみはなく、言葉としては定着していませんが、自分ばっかりではなく、後の人、他の人というような社会性が身につくといった意味で、良い絵本だなーと思います。

 「どうぞ」という言葉が楽しく身につく良い絵本だと思います。
ぜひ、お試しあれ。

 当ブログを読んでいただいてありがとうございます。
この記事を読んで少しでも絵本選びの役に立てばと思います。

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